2023〜2024越冬記録
その4

瀬戸内海式気候の越冬実験

広島県尾道市と福山市の間の土地をお借りして実験させてもらっています

Plantmaps.comより ゾーン9aの地域になります。海沿いとしては割と冷える地形ですが何日も積雪することはありません。
マップでは東京、大阪、静岡など、都市の臨海部はゾーン10aとされています
フェニックス ロベレニーが開けた場所で地植えされている地域は10aと一致しているかも、マイクロクライメートもあるでしょう

地植え3年目のヤシ

Acoelorrhaphe Wrightii(ライトヤシ/エバーグレイズパーム)  Chamaedorea radicalis(チャメドレア ラディカリス)
黒マルチをかけて水やりと肥料は基本無し、直射日光はフルで当たります


ライトヤシは子株が出て、ラディカリスは花が咲いて問題なく越冬できることがわかったので、この6本は鉢に戻します。
土の表面は有機質、深いところは砂質で簡単に堀り上げができました。

Dypsis decipiens(マナンベヤシ)を植えました

マナンベヤシは-7.7℃まで耐えられるとされていますがナツメヤシのように多湿に弱く日本の冬は苦手なようです 

葉軸がポケットのようになって生長点付近に綿毛がなく冬の湿気に敏感そうな印象
同じマダガスカル原産で耐寒性のあるアンドリンギトラパームをみてみると

葉軸付近に綿毛が幕のように覆って、多少水分をはじく効果もあります

黒マルチで水やり無しです 葉先がやけどしないか心配だったので周囲を掘り下げました

5月10日

軒下の最低気温5℃ 今朝は霜注意報が出ていました
熱帯植物にとって6月まで冬、露天に出しっぱなしは危険

Pholidocarpus macrocarpus

フォリドカルプス マクロカルプス
ケパンヤシ
前年は5月から外に出して、やはり低温のためでしょう、新芽が抜けてしまいました。
逞しいことに7月に抜けた穴から新芽が出て掌状葉を見せてくれています。

今年は5月後半は高温の傾向で、今の覆った状態で30℃超えも危険ですから出すタイミングが難しい
湿度差で葉がドライ化しやすいので慎重に行う必要があります。

6月
今年の梅雨入りは平年より遅いようです

Pholidocarpus macrocarpus 屋外へ出しました

今年は新芽抜けませんように

Chamaedorea stenocarpa(チャメドレア ステノカルパ)

冬の間水槽内で管理 気温が上がってくると葉先に枯れが出ました。水槽内と外の温度差がなくなると空気と水分が循環しにくくなるのかもしれません、
水槽内で長期栽培する場合、アクアテラリウムのように水が循環する環境にすると安定するかも

株分けして養生スペースへ 肥料を与えると見違えるように鮮やかな葉色になった しかし結局、肥料より大事なのは温度と空気の循環と排水性なのでしょう

6月の温室

越冬状況 備忘録
冬の間ビニールで囲った 温室内最低温度1℃(最高最低温度計実測値)加温水槽:25℃ 農電シート:20℃

◎ダメージなし 〇軽いダメージあり △ダメージあり ×枯死 

Chamaedorea metallica(チャメドレア メタリカ)◎
Chamaedorea tenella(エルフィンパーム)〇※レンガ温室
Chamaedorea tepejilote(パカヤパーム)◎
Chamaedorea tuerckheimii(ポテトチップパーム)〇※レンガ温室
Chambeyronia houailou(ホウアイロウレッドリーフパーム)◎
Chrysalidocarpus baronii(クリサリドカルプス バロニー)〇
Chrysalidocarpus baronii‘black petiole’(バコナパーム)◎※バロニーよりも背が低い
Chrysalidocarpus decipiens(マナンベパーム)◎※鉢植え
Chrysalidocarpus onilahensis(オニラヒパーム)〇
Kentiopsis oliviformis(ミラグアマパーム)×
Linospadix monostachyos(ウォーキングスティックパーム)◎※レンガ温室
Oraniopsis appendiculata(ブロンズパーム)◎
Raphia australis(コシパーム)△※加温水槽栽培
Ravenea cycadifolia(ラベネア サイカディフォリア)◎※2本のうち1本はレンガ温室
Ravenea andringitra(アンドリンギトラパーム)◎
Syagrus campylospatha(シアグルス カンピロスパサ)◎
Syagrus hoehnei(シアグルス ホエフネイ)◎
Syagrus weddelliana(ブラジルヒメヤシ)△

ヤシの管理は一に温度二に温度、三四が温度で、五に温度だと思います
15度以下で休眠に入るか成長するかの境目となる、準低温下の水管理が悩ましい

2024年まとめ


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